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『草迷宮』に描かれた秋谷
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◎「『草迷宮』に描かれた秋谷」
胃腸病の転地療養のため逗子に逗留していた泉鏡花は、当時の中西浦村大字秋谷の風土を舞台に、妖美な物語の世界を著書『草迷宮』で描いています。
舞台は、葉山と横須賀の境であり、横須賀の入り口となる長者ヶ崎から始まり、物語の最高潮を迎える秋谷村の庄屋の別宅、黒門の古館は、江戸時代秋谷村の名主であった若命家の長屋門がそのモデルといわれています。
物語の舞台である長者ヶ崎から秋谷バス停近くの若命長屋門までを、三崎街道(国道134号)沿いに、泉鏡花の筆の運びに寄り添って辿ってみるならば、現在の秋谷の姿の向こうに、明治の秋谷の姿が浮かび上がってくるでしょう。